| ヒカルの碁 | 君の花精次編さらさらと〜21〜25 |
| さらさらと〜21 「精ちゃん!」 智は暗い部屋の中で、放心したように座る精次を見つける。 精次の目はうつろに智を見ると、急に目を見開いた。 「智!」 智は駆け寄ると、精次を全身で抱きしめた。 「うん、解ってる。解ってるから・・・」 「智、さとる・・・」 俺は、間違ってたの? 「精ちゃんは間違って無い!絶対!精ちゃんは、精ちゃんは、間違ってなんか無い!私が保証するよ」 だから、悲しまないで。 精次はドアを開けると唖然として、声を無くした。 「やあ、精次」 「・・・要」 「久しぶりだね。今日からお隣さんだ」 手紙のやり取りだけで、学生以来一度も顔を合わせた事の無い要の言葉に、精次は衝撃で言葉が出なかった。 「・・・」 「どうしたの?驚きすぎて声も出ない?中に入れてくれないのか?」 はっとした精次は慌てて、部屋に通す。 「ごめん、あんまり驚いて、入って」 「ありがとう」 久しぶりに見た三輪 要は、背も高くなって肩幅も広くなっていた。精次の方が身長は高いのだが、それでもあの頃よりは遥かに大きかった。 「お隣って?」 要にお茶を出して、精次は疑問を口にする。 「うん、隣、空いてただろ?買ったんだ」 「え?学生なのに?」 「精次だって、同じ年だ」 それはそうだけど。 「親に言ったら、あっさりと買ってくれたよ。よっぽど、俺を追い出したいらしいな」 まあ、そのおかげで精次とお隣さんになれたけどね。 精次は返事のしようがないので、曖昧に頷いた。精次だって、まだ、二十歳になったばかりだ。学生にマンションをぽんと買ってくれる親に驚いても不思議では無い。 「ええ・・・と、うん、嬉しいよ。要が引っ越して来るなんて」 精次はお世辞では無く、本当にそう思っていた。要との関係は何だか曖昧なまま続いていたが、これでもう少しは近づけるかもしれないと、密かに期待したのだ。 「あ、引っ越し祝いに俺が食事でも作るよ。何か食べたい物ない?」 大抵の物を作れるから。 「精次が作ってくれるなら何でも良いよ」 じゃあ、何か簡単なものでも。 「そう言えば、智君はどうしてる?元気にしてるの?」 精次は少し戸惑ったが、「元気だよ」と返事をする。 「ふうん・・・。もう、ここには来ないのかな?」 はたと精次の手が止まる。 「・・・何を?」 「智君が来なくなったから、僕が来たよ」 要がにこりと笑う。 「ねえ、精次」 「・・・そう。嬉しいよ」 さらさらと〜22 「で、これは・・・あれ、どうしたんです?緒方さん」 聞いて無かったんですか? どうした?と、言われて始めて精次は何も聞いてなかった事に気がついた。 「あ、すいません」 「らしく無いね」 と、目の前の男は苦笑する。 「らしく無い・・・?ですか」 「うん、らしく無い。緒方さんは仕事には手を抜かない人でしょ?」 何かあったの? 「え、いえ、何も無いですよ。白川さん」 そうだ。白川さんと一緒に仕事を頼まれたんだった。その打ち合わせだったんだ。 何をぼんやりしてるんだろう? 「すいません。もう一度」 「うん、良いけど・・・調子悪いなら今度にするから休んでもらったら良いよ」 「いえ、大丈夫です」 若手の囲碁棋士の白川とは最近一緒に仕事をするようになった。精次は、人当たりが良いので同じように人当たりの良い白川と組んで、仕事をこなす事が多くなった。 今日もイベントの手伝いの打ち合わせをしていたのだ。 「しかし、緒方さんは良い家を持ってるんですね」 部屋を見渡しながら、白川は羨ましいと笑う。 「親からの財産相続ですよ。それにここは中古物件ですよ」 「・・・そうですか」 不味い事を聞いてしまったかな?と、首を傾げる白川に、精次は手を振る。 「いえ、俺は伯父の養子になったんで、実の両親はまだ生きてるんですよ。ここは伯父からもらったんです」 緒方と言うのは伯父の名字なんです。 「本当は進藤って言うんですよ」 「そうなんですか」 しかし、伯父さんは緒方さんの事が好きだったんですね。こんなに良い感じの家を用意してくれたんですから。 「ああ、それは智が・・・」 「友達?」 「はい、智が・・・色々してくれたから」 ああ、そうだ。智がカーテンの色や家具を買う時、アドバイスをくれたんだった。 「友達が部屋を整える時にアドバイスをくれたんですよ」 ここもあそこも智の決めた色だ。 『精ちゃんには青が似合うよね』と。 『でも、ここはこの色が似合うから、カーテンはこの色にしようよ』 『智に任せるよ。俺はセンス無いから』 『もう、精ちゃんはこう言う所は無精なんだからねえ』 ため息を吐きながらも嬉しそうに付き合ってくれたんだったなあ。 「中の良いお友達なんですね」 「幼なじみなんですよ。中学高校と一緒でした。彼は家事が好きで、手芸部の部長なんてしてましたよ。服とか綻んだら、直ぐに直してくれるんです」 料理も得意でね。 「美味しい物を良く作ってくれたなあ」 過去形だ。 「事情があって今はちょっと遠くにいます。ここには来ないんですよ」 うん、でも、慣れた。 智のいない生活にも慣れた・・・?要もいるし・・・。 その時、玄関のベルが鳴った。 「はい、要?」 「うん、そうだよ」 精次はドアを開ける。 「仕事の打ち合わせ中なんだ。要もお茶を飲んで行かない?」 「良いの?」 うん。どうぞ。コーヒーで良い? 「精次が入れるなら何でも」 白川は要に会釈すると立ち上がって挨拶をした。 「緒方さんの同僚で、白川です」 「棋士の人?」 「はい」 白川は要を見て、何だか違和感を感じる。自分が値踏みされているような気がしたのだ。 「白川さんとは良く一緒に仕事するんだ。イベントとか棋譜の整理とかをまかされる事が多くてね」 あ、白川さん、この人は 三輪 要。俺の中学の同級生で、お隣に住んでるんですよ。 「智さんと同じで幼なじみ?」 違うだろうなあと思いつつも白川は聞いてみる。 「いえ、智は小学生からの付き合いです。要は俺がやっていた将棋囲碁同好会の会員で、囲碁をやってたんですよ」 精次はコーヒーを入れながら、要に笑いかける。 「精次は、僕の従兄弟と将棋と囲碁の同好会を立ち上げたんですよ。で、精次は6年間、そこの部長でがんばってました。僕は、高校は別の所に行ったんですけど」 「へえ、塔矢先生の弟子をやってさらに同好会の部長?それは凄いね」 白川は純粋に感心したようだ。 6年間と言う事は中学1年からその同好会を持続していた事になる。 「大したものじゃないですよ、白川さん。所詮、同好会ですしね」 有志で好きな人の集まりですよ。教師も打ちに来てくれてたんで。 「そんな事ないよ。精次は凄いよ」 要の言葉に精次は苦笑する。コーヒーを差し出すと、白川に打ち合わせの続きをとそくした。 さらさらと〜23 精次は順調に手合いをこなしていた。 が、行洋や桑原は妙な事に気がついていた。白川もだ。 白川は森下の門下生と言う事で、行洋の弟子である精次とある意味対照的だと言うので、並んで評価される事が多かった。 が、白川は元々そう言う評価に無関心であり、精次もそうだった為、二人があからさまに張り合っていると言う事はなかった。 勿論、ライバルとして意識はしていたが。 「緒方さん、最近・・・いらいらしてない?」 と、言われて、精次は は?と、問い返す。 「別にいらいらはしてない・・・けど?」 「そう?調子は良いみたいだけど、何かね」 「え?」 俺、何かおかしい? 「いや、おかしく無いとは思うんだけど、手合いしてる時だけ・・・」 「おかしい?」 「上手く言えないけど、手合いしてる時は鬼神のようになるけど、その他の時はぼんやりしてる事が多いよね」 手合いで力を出し切って疲れてるのか?とも思ったんだけど、そうじゃないみたいだから。 「ごめん。余計な事言って」 白川は頭を掻いて、謝る。こんな事を言ってもしょうがないのにと。 それでも、何だかライバル?としてほっておけないのだ。 「・・・うん・・・何だか昔の事ばかり思い出されて・・・」 「緒方さん、まだ二十歳過ぎたばかりじゃない。何年寄りくさい事言ってるんだ。みんなが聞いたら、ビックリするよ」 そうだなあと、精次は力無く笑う。 「僕で良ければ相談に乗るけど?」 「・・・嬉しいけど・・・とりとめない事なんだ。特に変わった事とかじゃなくて、昔の好きだった人の事とか思い出すんだ」 「やっぱり相談に乗る。と、言うより飲もう!そう言えば、緒方さんとは飲んだ事が無いじゃない?うん、僕の所で飲もうよ」 白川は強引に決めると精次の腕を引いた。 精次は戸惑いながらも白川の後に続いたのだ。 近所のスーパーで食材を買い込むと二人は白川の家を目指す。 「僕も一人暮らしを始めたばかりで、食事も寂しいから緒方さんと一緒にご飯食べるの嬉しいよ」 飲み屋で無くて悪いけどね。 「あ、いや、気を使ってくれてありがとう」 「遠慮無しで泊まって行ってよ」 白川はスーパーでの総菜と鍋料理を並べると精次にビールを注いでくれた。 「まあ、料理も出来ないんで鍋で悪いけど」 「いや、いただきます」 精次はビールを飲みながら、ぽつりぽつりと昔の事を話す。 三輪と供に同好会を立ち上げた事や智との思い出。 「楽しかったなあと思って。今が嫌なわけじゃないんだけど、要と話していると三輪さんや智の事、他のみんなの事が思い出されて」 俺はこのままで良いのかな?とか。 「囲碁は凄く好きだからそれだけは止めたく無いんだけど・・・俺っておかしいかな?」 白川は耳を傾けながら、隣人の要の思い出話が無い事に気がついた。 確かに隣に住んでいるのだから、思い出話はいらないのかもしれない。だが、精次は懐かしいと言うのだ。 その中に要の話は無い。 懐かしい=大切なはずなのに。 「智に会いたいけど、まだ我慢しないと。智も自分の事で手一杯だろうし・・・」 囲碁を打っている時は忘れられるんだけど。 ビール半分で既に酔ったような口調だ。酒に弱いと言うわけでは無いと思うが。 「・・・本当は誰に会いたい?緒方さんは?」 はっと精次は白川の顔を見る。 「・・・会いたい?・・・うん、会いたい。三輪さんに会いたい」 言ってから精次は納得したように頷いた。 「そうか・・・俺・・・」 「彼は何処に?」 「外国・・・もう、長い間、向こうに行ってる」 精次はそう言って、ため息を吐いた。そうだった・・・もう、長い間・・・何時帰って来るとも解らない。 「何時帰って来るかも・・・解らない」 小さな呟きだ。 「会いに行けば良いでしょ?緒方さんが」 え? 「俺が会いに?・・・あ、そうか・・・会いに行けば良いんだ。もう、会いに行けるんだ」 白川さん、ありがとう。 精次はぐいっと一息にコップを開けた後、そのままころんと寝ころんでしまった。 すうすうと寝息が聞こえる。 「あっと言う間だね。安心したのかな。しかし、遠慮深い人だなあ。この人」 会いに行くなんて考えなかったなんてね。 その為にはお手伝いしますか。 何か・・・手貸したくなるんだよね。まあ、貸しを作っておいたら返してくれる人だから、それも良いよね。 さらさらと〜24 「緒方君は休暇を取ってるけど、何処に行ったんだい?」 白川はそう聞かれて、にこりと笑う。 「良いところですよ」 「良い所?」 「ええ」 精次が手続きを取って日本を離れたのは、白川の家で飲み会をしてから一月を過ぎた頃だった。 「あまり休めないと思ったけど・・・」 本当に短い休みだ。 「でも、三輪さんに会える」 考えもしなかった。自分で会いに行けるなんて。 「俺、どうしよう。三輪さんに会ったら」 一応、電話は入れた。 実は初めて電話したのだ。今まで一度として電話した事がなかった事実に気がついて、精次は苦笑する。 精次が到着時間を告げると、「迎えに行きたい」と言ったのだがどうやら用事があるらしい。 「空港で待っていて欲しい。迎えに行くよ」 「でも、忙しいんでしょ?」 「大丈夫。1〜2時間くらい待たせるかもしれないが・・・」 「来てくれるんですか?」 「うん。精次が来るんだからな」 そんなわけで精次は空港で三輪を待った。海外旅行は初めてでは無いが一人で来たのは初めてだ。 広い空港に一人と言うのは寂しいなあとカフェの中でぼんやりと考える。 そう言えば、日本では今、何をしてるんだろう? ヒカルは?姉さんは?白川君は?みんなは? 姉が「お土産よ」と持たせてくれた包みと小さな鞄だけで飛んで来た。 自分も何か買って来たかったのだが、何も思い浮かばなかった。 とんとんと自分のカウンターを叩く音で精次は顔を上げた。 時が止まったと思った。 「三輪さん?」 「そうだよ。精次。暫くぶりだ」 大きくなったな。 「それを言うなら三輪さんこそ。俺より高いでしょ?」 三輪の手が座っている精次の頬に触れる。 「良く来たね」 「ええ、やっと来ました。来る事が出来た」 「何時までいられるんだ?」 それが・・・と。精次の端切れが悪い。 「・・・今日も会わせて二日・・・。明日には帰ります」 三輪はえ?と、精次の顔を覗き込む。 「まさか、俺に会う為だけに来てくれたのか?」 精次は恥ずかしそうに笑う。 「要が隣に越して来てから、何だか昔が懐かしくて・・・。白川君、俺の同僚が会いたいなら行ったら良いって言ってくれたんです」 精次の言葉に、三輪の表情が止まる。 「要が?精次の隣に?」 あれ?知らなかったんですか? 「ああ、うん」 知らなかった。 「その要とは上手く行ってるのか?」 「ええ、上手く行ってますよ。時々二人で食事したり。俺の家で」 そうか。 「まあ、ここで話も何だし、俺の下宿に来ないか?あ、ホテルは予約してるのか?だったら、キャンセルして俺の所に泊まれば良い」 「良いんですか?」 「狭い所だけど、一人くらいは泊められるよ」 翌日は三輪が「簡単だけど」と観光案内をしてくれた。 「三輪さんは日本に帰って来ないの?」 「そうだなあ」 もう、結構、長くここにいるよな。 「あれから、随分たった・・・ですよね」 「・・・何時か・・・帰りたいとは思ってる」 それが何時になるか解らないけど。精次は俺に会いに来てくれたから、俺も精次に会いに行くよ。 「たった2日だったなあ」 機上の人になった精次は、日本まで旅の余韻にひたろうと目を閉じた。 さらさらと〜25 「お帰り、緒方さん」 驚いた事に空港に白川が迎えに来てくれていた。 「白川君!ええ、どうして?」 「早く、土産話を聞きたいと思いましてね。車で来たんですよ」 ほら、荷物あるかな?と思って。 「ありがとう」 白川は精次のマンションに帰ると、荷物を解く。 「お土産も大した物無いんですけど」 それに、白川は勝手にコーヒーを入れながら、苦笑する。 「そりゃあ、そうでしょう。実質、2日もいなかったんだから」 で、会いたい人に会えました? 精次はゆっくりと頷く。 「ああ、会えた」 目を閉じると彼の笑顔が思い出される。 「ありがとう。白川君、行って本当に良かった」 白川はコーヒーをテーブルに置くと精次の顔を覗き込む。 ぱちりと目を開けた精次は白川と目が合い、大きく目を開いた後に赤面する。 「あ、びっくりした」 「はは、良い顔になったね。吹っ切れたような顔だ」 「そう?」 嬉しかったのは確かだけど。そんなに変わった? 「変わった変わった。いやあ、会うだけでこんなに変わるなんてよっぽど大切な人だったんだ」 ははっと精次は顔を掻く。 「うん、まあ、大切と言えば大切な人。ええと、何て言えば良いのかなあ?三輪さんの事を話すのは難しいんだけど・・・」 「憧れの人なんだ?」 「あ、それがぴったりかな?」 精次は空港で買った土産だと白川にチョコレートを渡す。 「あ、ありがとう。僕、今日は食事の材料を持って来たんですよ。疲れてるでしょ?僕が食事を作りますよ」 白川の気使いに精次は頭を下げる。 「何の。緒方さんに会いに行けと言ったのは僕ですからね。僕はちょっと心配だったんですよ。緒方さんが失望して帰って来ないかな?とね」 結果オーライで良かったあ。 だって、緒方さん、今まで会いに行かなかったでしょ?拘りあったんでしょ? そのままでいたかったんでしょ? 「かな?自分でも解らないよ。だって、会いに行くなんて考えた事も無かったから」 会いに行けと言われた時、驚いた。 「本当に思いつかなかったんだ。そんな簡単な事を」 白川はそれを聞いて、なるほどと思った。 「それまで電話さえしなかったんだ。電話番号も知ってたのに」 俺は馬鹿だ。 それを白川は否定する。 「緒方さんが馬鹿なら、もっと早く会いに行ってたはずですよ。緒方さんは夢を叶えるまで会わなかった・・・でしょ?」 ふと、精次の胸に落ちて来たものがあった。 「あ・・・そうだった。囲碁を憶えてくれるって言ったんだ」 あの時、そうだった。 「囲碁を憶えるから打ってくれと言われたんだ」 そうだった。 彼が側を離れる時に、そう言ったんだ。 「良かったですね。今度は教えてあげられるじゃないですか。プロとして」 白川は安心したと言うと、台所へと消えた。 白川が作ってくれた食事を食べているとベルが鳴る。 「要かな?」 ドアを開けると精次が思った通り、要だった。 「入って良い?」 「白川君がいるけど、どうぞ」 白川は要に手を上げて挨拶をすると、そのまま食事に戻る。 「精次、何処に行ってたんだ?」 要はまだかたづけていない荷物を見て、眉を寄せる。 「まさか、兄さんの所に行ったの?」 「・・・うん。ああ、ごめん。言えば良かったよな。要も何か言づてあったかもしれないのに。俺、何か一杯一杯で」 「・・・そう」 白川はこの場に自分がいて、心底良かったと思った。ちらりと見える要の顔はどうみても不愉快そのものだとしか書いて無かった。 「あ、そう言えば、三輪さんに話してなかったんだね。隣に引っ越したって」 驚いてたよ。 「・・・そう。あの人、元気だった?」 「元気だよ。2日もいる事出来なかったけど、喜んでくれてた」 三輪君、食事は? 後ろから白川が声をかける。 「いえ、今日は帰ります。貴方はまだ帰らないんですよね?」 「土産話を聞かせてもらうつもりですよ」 「そうですか」 要が部屋を出てから白川はこっそりため息をつく。 『度を超えてるみたいだね。要君は』 |
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