ヒカルの碁 マーチでGO7(ファーストフード浪漫)
マーチでGO7

「緒方さん、今日は俺が奢るよ。何処が良い?」
 何時も奢られていて、たまには俺が奢りたいとヒカルは常々思っていたのだ。
 緒方のように良い場所には行けないけど、俺だってお金は貰ってる。
「ねえ、何処が良い?」
「そうだな、あそこだ」
 緒方が指さした場所は、日本で一番有名なハンバーガーショップだ。
「○ドナルド?俺、もっと良い場所でもいいんだよ」
 ヒカルの言葉に、緒方が笑う。
「いや、久々に行ってみたい」
 緒方でもマ○ドナルドに行った事があるのだろうか?ヒカルは首を傾げるばかりだ。

「俺、注文してくるよ。何がいいかな?」
「チーズバーガーと珈琲。いや、コーラにしてもらおう。久々のジャンクフードだからな」
 緒方の返事にヒカルは、了解とカウンターに向かった。

「緒方さんがこんな物食べてたって信じられない」
 ヒカルの言葉に、
「俺だって若い頃はそんなに給料は貰ってないぞ。ジャンクフードだって食べてる」
 ○バーガーだろ、ケンタッ○ーだろ、○ッテリアだろ、後、A&○
 ヒカルには一つ心当たりがない名前がある。
「○&Wって何?」
「ハンバーガショップの名前だ。今は日本にはもうないと思うがな」
「へえ、そうなの?」
「そこのルート○ールが俺は好きだったんだが、今は飲めないのが残念だ」
 ビールと言う単語に、ヒカルは首を傾げる。ビールを出すファーストフードなどあるだろうか?
「ねえ、緒方さんは未成年でもビール飲んだの?買えたの?」
「あれはビールとつくだけで、アルコールじゃないんだ。○ートビールと言う名前のジュースだ」
「ああ、そうなの。緒方さんが好きだったなんて、どんな味だったのかな?」
 ヒカルはさぞ美味しい味なのだと思っていたのだが、緒方が言った言葉に、仰け反った。
「サロン○スの味だ。漢方薬が混ぜてあって、端的に言うとサロ○パスの匂いが味になったものだ」
「な?何、それ」
「そうなんだ。初めて飲んだやつは必ずそう言うんだが、又、飲みたくなるんだ。摩訶不思議な飲み物だ。実はシンガポールに行った時、このA○Wを見つけてな、入りたかったんだが、時間がなかった。悔しい思い出だ」
 緒方のしみじみとした呟きに、ヒカルが笑う。
「じゃあ、俺とそのうちに行かない?暇が出来たら。シンガポールは近いし」
 緒方の顔がぱあっと明るくなる。
「本当か?」
「だって、緒方さんの思い出でしょ?俺もそれ飲んでみたいし」
 日本にないファーストフードも魅力だしね。
 ヒカルの笑顔に、天使を見た思いの緒方であった。

このハンバーガーショップって東京方面にありますか?CMをしてるの見た事がないから、日本からは手を引いたのだと思うのですが。(あったら、ごめんなさい)
サロンパス味のジュースは美味です。やみつきになる味です。
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