ヒカルの碁 いろは〜先生(師匠)
先生(師匠)

 事故から半年後、何故かヒカルには弟子がいる。
 これも、押しかけ弟子だ。
 名前を庄司と岡と言う。アキラとヒカルの昔からのファンだそうだ。
 岡はアキラに最初に「弟子にしてくれ」と言ったのだが、アキラは門下生を沢山抱えている事もあったので、断られた。
「でもお、僕のライバルの弟子にならない?あそこは、押しかけ弟子は大歓迎だと思うよ」
 くつくつとアキラが笑う。
「ただし、賭け碁で勝てばだけどね」
 タイトルホルダーと賭けとはキツイと思いつつも。二人はその案に乗った。

「え?俺の弟子?なりたいの?」
 ヒカルは緒方と顔を見合わせる。
「ええ、塔矢先生がおっしゃるには、こちらは押しかけ弟子は歓迎だろうと」
 思わず二人は吹き出してしまう。
「あはは、いやあ。だが、力量を問われるのも聞いているだろ?アキラ君から」
 緒方の言葉で、二人は頷いた。
「ええ、賭け碁をして勝てと言われました。キツイかもしれませんが、勝つつもりです」
「それに、進藤さんが、緒方さんの弟子になったのもプロになってからと伺ってます」
 二人は既にプロだった。
 それなのに、弟子になりたいと言う。
「そう、じゃあ、俺と師匠と君らでペア碁を打とうか。それで決めるよ」


 結果は散々だった。
 緒方もヒカルもぴったりと息があっていて揺るがない。的確に弱い所を攻めてくる。
「「ありません」」
「ありがとうございました」「ありがとうございました」
 二人の落胆は激しい。
「・・・駄目ですよね」
 恐る恐ると目を上げる。
「ええと、俺、緒方先生は師匠って呼んでるから・・・どうしよう。先生って呼んでくれる?進藤さんでも良いけど」

「「・・・!先生!!」」
「はい。よろしく」



「明日は韓国に行くんだよ。大丈夫、岡が来てくれるから」
 何も心配はいらないよ。
「アキラ、誕生日おめでとう」
いろは物語目次 諸人の集い→過ぎ去りし日々