| ヒカルの碁 | いろは〜ねーねー |
| ねーねー その日の緒方は珍しく、鼻歌でも歌いたい程上機嫌だった。 理由は、念願のお強請りの為だ。 ついについに、ヒカルにお強請り(嫌がらせ)をする為のアイテムを手に入れたのだ。 いい年した大人が何をぬかすと思うだろうが、彼(進藤 ヒカル)を弟子にして以来、緒方に平穏な日常は無くなった。 「何時かリベンジしてやる」 とは、毎度毎度、胸にだけ思う言葉だったのだが。 「俺様の斬新なアイデアに、驚け進藤」 ふぁふぁふぁと高笑いで、緒方は活揚々と自宅に帰った。 「お帰りなさい、師匠」 呼びつけていたヒカルが緒方を迎える。 「ああ、ただ今」 これと、緒方は大きな箱をヒカルに渡す。 「何?師匠」 「お前にやる。北斗杯優勝記念だ」 おめでとうの言葉も忘れない。 「え?師匠がくれるの?わあい、何だろ」 ヒカルは一目散で、リビングでその箱を開けた。 中には・・・ 「これ、着て良いの?師匠」 「おお、遠慮するな。お前ももう大人だからな。こんな物も必要だろう?」 内心、緒方はくすくすと笑う。 さて、どんな反応かな? ヒカルは暫し考えていたが、すくと立ち上がると、自室(緒方がヒカル専用に空けてくれた部屋)に入る。 「覗かないでね〜」 「色気を出したつもりか?あいつは」 くくっと緒方が笑う。さて、どうかな?楽しみだ。 暫しして、部屋のドアが開く。 そっと恥ずかしそうに顔を覗かせたヒカルが、頬が淡いピンクだ。 「似合う?師匠」 「おお、似合うぞ」 すかさずの台詞に、ヒカルは笑う。 「ありがとう、師匠」 緒方は正直、反応は拒絶か素直かどちらかだと思っていた。 緒方的には、それをヒカルが着る事が面白い事だったので、ヒカルの反応は結局、それほど重視してなかったのだ。ただ、拒絶だったら面白いとは思っていたのだが。 「ねーねー師匠。こんな高い物を貰って良いの?」 「お祝いだと言っただろ?実はアキラ君にも買ってあるんだ」 「え?アキラにも」 「そうだ。同じ物をな」 盛大な音をまき散らし携帯が鳴っている。 着メロは何故かリ○インのテーマソング。 頑張る男、アキラにはぴったりである。 「は?進藤?え?何」 『師匠がプレゼントをくれるんだ。どう?今、暇?』 「暇は暇だけど」 『じゃあ、師匠のマンションに来てよ。ね、お願い』 ぷつりと切れた携帯を眺めながら、 「お願いって女の子じゃあるまいし。しかし、緒方さんがお祝い?僕と進藤に?」 何だろ、何か嫌な感じがする。 しかし、そう変な物ではないと思うが・・・どうだろう? ぴんぽ〜ん。 「あ、来た。塔矢だ!」 ヒカルは勇んでドアを開ける。案の定、目の前には塔矢 アキラがいる。 「ささ、入って入って。緒方さんが北斗杯のお祝いをくれたんだ。凄いぞ」 ヒカルの上機嫌につられて、アキラも言われるままに部屋に入る。 何かとても凄い物を貰ったらしい。 『何だろ?』 ささ、ここに座って。座って。 俺が全部して上げるから。 ヒカルがアキラをソファーに座らせる。 「ぎゃー!やめてくれ!」 次の瞬間、アキラの悲鳴が響き渡った。 「あ、止めてくれ。やだあ」 そんな言葉にお構いなく、ヒカルはどんどん塔矢の服を脱がして行く。 「大丈夫だって。俺に任せていれば」 「うわ〜。や、そんな事するなあ〜」 「恥ずかしがる事ないだろ」 「やだやだ、止めてくれ。お願いだ」 アキラはヒカルが持って来た箱にすっかり怯えている。 「やめてくれ・・・ああ・・・」 がくりと力無くアキラがうなだれた。 「おお、似合うぜ。塔矢。これでお揃いだなあ。師匠と」 俺も着替えてくるな。 そのまま、早技でヒカルは自分の服を着替えた。 そこにいたのは、白のスーツに身を包むヒカルとアキラだ。 「すげえだろ?師匠がお祝いにくれたんだよ。凄いだろ?塔矢」 「ああ、確かに・・・凄い」 そこに緒方が帰って来る。 「おお、良いなあ。アキラ君も似合うぜ」 「・・・ありがたいですが・・・僕は・・・」 こんなスーツ嫌です。 「おお、喜んでくれて嬉しいよ。あ、進藤も着替えたんだな。じゃあ、準備万端だな」 入って下さい。 と、扉に声をかける。 「誰ですか・・・?」 「うん、俺の知り合いでプロのカメラマンなんだ。記念写真を撮って貰おうと思ってね。何、気を使う事はないんだよ。お祝いだからな」 |
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